SAT04 CREATIVE SPACE

メディア芸術作品、音楽制作、ゲーム開発(UE4)、アート、エンタメなどの創作に関する話題を扱うブログです

【Wwise】最近の作業レイアウト

 久々に自宅のMacにWwiseの最新版を入れてみました。というのも、Wwise Adventure GameというサンプルゲームでのUnity実装を見たかったからです。Wwise Authoring Tool側での実装というよりは、Unity側のComponent周りと、それに付随するC#コードでどういった実装しているのか興味を持ったので。

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 私自身はもうWwiseを使い始めてから10年ほどになろうかという感じだけど、サウンドの実装に関わるプログラマーさんはプロジェクトごとに変わる事が多いのが現状。より最適化(皆が楽できる実装方法と効率化)を考えたときに、サウンドデザイナーであっても、ある程度実装に関する基本やセオリーを知っておいた方がよいと感じます。

 プログラマーさんにこういう事をやりたい時はこういう実装方法がありますよと、簡単にでもレクチャーできればと。特にUnityともなると、プロジェクト毎に異なるComponent(Script)が用意され、実装方法が微妙に違ってきたりします。似たような考えのもとに作られたComponentであれば、サウンドデザイナー側の実装ワークもある程度定型化でき効率化できるんじゃないかと思います。

 てか、Wwise のUnity Integrateに、Wwise Adventure Gameで使ってるComponentを追加してくれれば、それだけでも良いような気も……。

最近の私のWwise作業レイアウト

 現状のWwiseはちょっとレイアウトが弱いんで、今後強化されるっぽいですけどこんな感じ。Wwise使ってて思うのは、UE4使ってる時はUE4っぽい使い勝手になってほしいし、Unity使ってる時はUnityのような使い勝手になって欲しいな〜というワガママな要望が出てきちゃいます。

 で、これはどっちかっていうとUnityちゃんっぽい使い勝手のレイアウトです。レイアウトいくつも保存できたらいいんだけどねえ。

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2つ並んだProject Explorer

 ここは左のProject Explorerは、主に「Audio」また「Event」にしておくことが多いです。ただメインのProject Explorerという位置づけなので、Game SyncsやSessionにも切り替えます。

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左「Audio」、右「Event」

 左のAudioタブで選択したアイテムから、Eventを作ると右のEventタブのProject Explorerにすぐ表示されてそのまま整理できるので楽(タブ切り替えが不要)。あと右のEventタブで選択したイベントに、Audioタブからドラッグ&ドロップってのも楽です。

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左「Event」 右「SoundBank」

 左「Event」で、右「SoundBank」って組わせも多いです。SoundBank Editorはフローティングのままで使い終わったら閉じる。Soundbank View(ショートカット F7)に切り替えてもいいんだけど、この為だけに画面がガラリと変わる脳への負荷があまり好きじゃないので。

 とにかく、左から右へドラッグアンドドロップできるのは便利ですし、両方「Audio」、両方「Event」みたいに二箇所を同時に見たり、左「Audio」右「GameSync」みたいに、GameSyncのパラメータとAudioを交互に移動しながら音を作って行く時にも便利です。

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あんまり使わないEvent View

Event Viewは実はほとんど使わないけど、デフォルトなのでおいたままに。検索ボタンをポチッと押すとFilterライクな検索ができるので便利ちゃ便利。

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常に表示のListView

 普段、影に隠れて使わない人も多そうだけど、個人的にはめちゃめちゃよく使います。というか、右上のサーチとかもう殆ど使わなくなりましたね。

 カラムをTypeだけにして、Typeでソートしてもいいし、Prefix(suffix)をスペース開けて「ambi play」こんな感じで入力してもいいです(ここまでちゃんと入力しなくても良いくらいで、だいたい入力途中で目的のアイテムが見つかります)。

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ほぼUnityのProjectタブ(↓)と同じような使い方。Filterで絞ってアイテムを選択。
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たまに便利なReference View

 参照状態を確認できるウィンドウ。例えば、今選択してるSoundSFXを使用してるEventを表示したり、選択してるEventがどのSoundBankに入ってるかとかをたどる事ができます。

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 ただ、SoundSFXのイベントを参照するなら、EventViewのCurrent Sectionで、ほぼ同じ内容を見ることができる。ただReferance ViewはPinやプロパティ表示変更できるって違いがあります。Pin留めはたまに便利な時があります。
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その他

Capture Log

 大抵はちゃんとProfiler Viewを使いますが、ここで見れるのも結構便利。Capture Logを見て、編集してっていう作業がスムーズに。今鳴ったこの音のボリュームちょっと下げたいとか、サクサクっと出来ます。

 うまいこと2種類のFilterと、Follow Capture Timeのオン/オフ切り替えをするのがコツです。

メーター系

 ボリュームを常に意識するのは当然。ラウドネスもある程度気に留めときます。

 通常のピークメーターが2つ目は臨機応変に変更。例えば、音楽を除いた効果音だけのBusボリュームをチェックしたい時とかにも使います。

まとめ

 なんか長くなっちゃいましたが、もっといい方法あるんじゃないかと常に最適化して楽したい人間なので、他の人の画面もみたいな〜(チラッチラ

 前述したけど、レイアウトをもっといっぱい保存できたらなーとか、ウィンドウ自体をUnityのようにタブ化できたらなーとか、ここのウィンドウこそPin化してほしいなーとか、フィルタータイプの検索欄欲しいなーとか、アイテム選択したらこっちのウィンドウの情報更新してほしいなーとか、言い出したらキリがないのですが、日々試行錯誤している今日このごろです。

【UE4-Wwise】AkAcousticPortalを使ったカスタムOcclusion/Obstructionによるドアの開閉

AkAcousticPortalは使いつつも、Open/Close機能は使わずに実装してみたカスタムOcclusion & Obstruction。当然ながらBlueprintとWwiseだけの機能を使ってるだけなので、実装自体はそんな大したこやとやってません。

効果音も超適当。

テスト動画

※音量は最大にして聞いたほうが聞こえやすいです
www.youtube.com

ちゃんと作れば、低コストで面白い事ができそう

副産物として、この方法だと半開きの状態や、徐々にドアが閉まっていく場合のObstructionも再現可能。且つドアの開閉アニメーションを含むブループリントクラスに、遮蔽のパラメータを持たせたり、レベルBP自体に持たせる事もできそう。

これにLine Traceを使った方法との併用もできそう。

なので、どういう事ができるかというと、例えば外に1個のAmbientSoundがあったとして、プレイヤーがどういう家にいるかで聞こえ方を変えたりもできそう。今度試してみよう……。StarterContents入れないと。

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SpatializationとAkAcousticPortalの関係

 部屋の外の雨の効果音は、AkAmbienceSoundで、Wwiseの設定でSpatializationはオフ。なので部屋の外にでると座標によるパンニングは無効。けど、AkAcousticPortalを介した音は、AkAcousticPortalの座標から音が聞こえます。

 この辺のGDCセッションも見ると面白いかもよ!Wwise2017のWwise Spatial Audioはわりとこのセッションでの内容をそのまんま……みたいな内容で。いい時代!
www.youtube.com
https://www.gdcvault.com/play/1022402/

予習

これなんかはライントレース使ってるっぽい。どっか時間見つけたらやってみよっと。
www.youtube.com


あとこの辺も使えばもっと面白い事できそうだけど、まだ詳しく見てないので時間があれば。

Wwise 2017.1の最新3Dバスアーキテクチャを使った、盗聴システムのシミュレーション方法
Audiokinetic Blog

気になる所

動画の、途中の変な音のビビリは謎。Mac環境がわるいのかスペック不足か。あと部屋の外にでた瞬間の妙な左右の位相差(というかタイミングのズレ)も気になる。