SAT04 CREATIVE SPACE

メディア芸術作品、音楽制作、ゲーム開発(UE4)、アート、エンタメなどの創作に関する話題を扱うブログです

DJ初心者がPioneer DDJ-400を買ってみた!決め手などを

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 知り合いのバーなどで、気ままにCDJとDJ卓を触らせてもらい、その場で軽くレクチャーしてもらいながら見よう見まねでDJをした事はあったんですが、ある程度ちゃんとやってみたいと思い始めて早5年。

 ちょっとしたきっかけもあったのですが、ついにPCDJを買っちゃいました。

 タイミングよく、Pioneerから6月末に新製品「DDJ-400」が発売になったばかりで、日本語チュートリアルなどDJ入門マシンとしては最適っぽいです。

https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/controller/ddj-400/black/overview/

 というわけで、普段DAWなどを使って曲作りをしている作曲&編曲家目線で見ていきたいと思います。

PCDJというジャンル

 今回購入した「DDJ-400」はパソコンありきの商品で、機材ジャンルとしては「PCDJ」で検索すると出てくるものです。音楽制作機材的にいうと、フィジカルコントローラーにオーディオ機能が付いたものって感じです(ただしオーディオ出力のみです)。

 「DDJ-400」は、このDJコントローラーと、DJソフトがセットになったものです。なので、必ずPCかMacがある前提ですが、これさえ買っちゃえばすぐにDJプレイが出来るという、かなりお手軽なセットです。

 PCDJじゃない場合、レコードプレイヤー又はCDJを最低2台。それらをミックスするDJM(DJミキサー)なんかが必要です。「DDJ-400」は、パソコンさえ用意すればそれらと同等以上のことが出来てこのお値段ですから、これから始める人に最適です。

 既にDAWなどで曲作りしてる人が、ちょっと手を出してみようなんて時には、ドンピシャな製品だと思います。

 DJ全般の機材については下記のサイトの解説がオススメです。私も勉強させてもらいました。

www.otaiweb.com

付属DJソフトはおまけレベルじゃない「rekordbox dj」

 音楽制作系のハードウェアを買うと、機能が限定されたグレードの低いのソフトが付いてくる事があります。ですが、本製品はガチ版が付属してます。

 「DDJ-400」に付属するDJソフトは、パイオニアの「rekordbox dj」です。これソフト単体で買うと15,000円ですから、それを考えても「DDJ-400」を買うのは、めちゃお得なんです。

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 元々パイオニアは「rekordbox」という無料の楽曲管理ソフトを提供していました。それにDJプレイ機能を持たせたのが「rekordbox dj」です。さらに「rekordbox DVS」とかあるんですが一旦忘れて良さそうです。

 DVSは、Digital Vinyl Systemの略で、ざっくり言うとアナログターンテーブル(レコードプレイヤー)を使って「rekordbox dj」を操作できるようにするシステムなので一旦忘れちゃって良さそうです。

唯一迷った製品、1つ目の決め手はレイアウト

 これからDJ始めようという私的にはほぼ一択だった「DDJ-400」ですが、唯一価格帯が同じの「DDJ-SB3」と迷いました。

https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/controller/ddj-sb3/black/overview/

 見た目(レイアウト)の違いがまず1つ。

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 上がDDJ-400、下がDDJ-SB3。結構違いますね。

 で、次にクラブなどで常設されている事が多いPioneerのCDJとDJミキサーと並べてみます。

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 違いはあるものの、「DDJ-400」はレイアウトや色使いがとても似てるんですね。これが「DDJ-400」の売りの1つでもあります。初心者的には、変な癖がつくと嫌ってのもあるし、どうせ覚えるならどこのクラブにも常設されているような機材と同じ感覚で覚えたいというのがありました。

PLAY/PAUSEボタン、CUEボタン、BEAT FX、CDJスタイルのLOOPセクションなどの操作子レイアウトは、クラブスタンダードレイアウトを採用し、クラブに常設されている機材と同一の操作感を可能にするため、実際にクラブなどのDJブースに立つ機会があっても安心して演奏できます。

付属するDJソフトが違う「Serato DJ Lite」 vs 「rekordbox dj」

 これはかなり悩ましい問題でした。

 DDJ-400に付属しているソフトは「rekordbox DJ」。DDJ-SB3に付属しているソフトは「Serato DJ Lite」という世界的に最もユーザー数が多いとされているDJソフト「Serato DJ Pro」の無料版です。

 Serato社といえば、高品位なタイムストレッチで有名なプラグイン「Pitch ‘n Time」の会社ですね。とはいえ、タイムストレッチなどのアルゴリズムは異なるようです。

 Pitch ‘n Timeの高品位なタイムストレッチ技術の恩恵を受けるには、まず「Serato DJ Pro」にアップグレードし、更にP'NT拡張アドオンを購入する必要があります。

serato.com

 「rekordbox dj」は、パイオニア純正のソフトです。rekordbox自体は、楽曲管理ソフトとして2009年からあるソフトですが、数年前にリリースされたVer.4.0.0 (2015.10.01)で、「Serato DJ」のようなパフォーマンス(DJプレイ)機能が追加れました。

 なので、まだユーザーは少ないです。が、後発だけあって機能はかなり充実してます。

世界一メジャーな「Serato DJ」か、これから来そうな「rekordbox dj」か

 歴史を調べてみると、「Serato DJ」が世界で最も使われるDJソフトになった要因の1つは、クラブでほぼ寡占状態にある(らしい)パイオニアDJ製品に付属していたり、相性が良い事にあるようです。ただ、数年前からパイオニアは自社の「rekordbox dj」を付属するようになり、いま爆発的に「rekordbox dj」ユーザーが増えているようです。

 現時点で最も有名な「Serato DJ」か、これから爆発的に増えるであろう「rekordbox dj」か。結構悩みましたが、「rekordbox dj」の方が高機能だと個人的に思えたのと、今後のポテンシャルの高さで「rekordbox dj」で行くことにしました!

 ちなみに、「Serato DJ」だと、「Whitelabel.net | The Serato Whitelabel Delivery Network」を利用して音源を集める事が出来ます。

機能差が決め手に

 正確には、DDJ-SB3に付属しているソフトは「Serato DJ Lite」ですので、「rekordbox dj」と比べるとかなり機能は劣るように見えます。無料ソフトと、15,000円の完全版ソフトの差はでかいですね。

 物足りなくなって、「Serato DJ Lite」から「Serato DJ Pro」に乗り換えるとなると、更に追加で13,000円ほどかかるって事を考えると、断然DDJ-400の方がコスパが良いです。

 また、最終的な決め手は「rekordbox dj」だと、パソコンから出力できるってのと、DJプレイを録音出来るって所です。普段からDAWで音楽作ってる身としては、当然オーディオインターフェイスから出力して、いつも使ってるスピーカーで鳴らしたいので。

 DJソフトはPCで動いてるんだから出力出来て当たり前と思うのがDAWユーザーですが、「Serato DJ Lite」は出来ないんです。

 この機能が無いとDDJ-400のステレオ出力を、別途ミキサーを要してミックスしてスピーカーから出力しないといけなくなるので面倒です。実際、DDJ-400はUSB一本でパソコンに繋ぐだけだったのでセットアップがめちゃ楽でした。

 あと、録音できるなら曲作り用の素材作りなどにも使えるかなーと思ったからです。

まとめ

 長々と書きましたが、まだ数日しか遊べてません。環境づくりなども含めて順番に書いていこうと思います。いや本当に楽しいです。色々曲を見る視点や感覚も変わってきますね。トラックメーカーを目指してる人は絶対DJやったほうがいいんじゃないかと、触って数日しか立ってないけど感じます。

 ガチ素人だったので、「rekordbox dj」の日本語チュートリアルも、シンプルなんだけどめちゃめちゃありがたかったです。

 ということで、にわかDJなりに今後も書いていきたいと思います。

【Wwise】Wwise 2018.1がリリースされたので早速触ってみた

Audiokinetic社のオーディオ・ミドルウェアWwiseの最新版Wwise 2018.1 がリリースされました。Preview版で既に情報は出ていたのですが、一番はやはりUI周りのアップデート。

最近流行りの、グレーを基調としたDark UIが実装されました。他にも色々アップデートされたようなのでサクっと見てみようかと。

Wwise 2018.1 リリース!UIカラーの刷新と新機能

全体的な見た目

立ち上げただけだと、今までと同じ灰色カラーです。全体的にタブやウィンドウの形がエッジのあるカチっとしたフラットデザインになりました。

リモートコネクション(Remote Connections)周りも文字が書かれたボタンからアイコンに変わるなどマイナーな変更が加えられています。でも個人的には「Remote」て書いてくれてたほうがわかりやすかったかな……。
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Property Helpで、パラメータの詳細が確認できるように

新機能「Property Help」ではパラメータのHelpを表示してくれます。パラメータの最大値、最小値が確認できたり、Pitch 1200で2倍速なんだな〜みたいな事がわかるので、使い始めの人には良いのかも。ほぼほぼWwiseの機能を把握している私でも、たまに「ここの数字の単位は何だっけ?」て時もあるので、個人的に嬉しい機能ではあります。

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とりあえず色変えたい

「User Preferences」 せっかくなのでDarkUIを試したいって事で、どこで色を変えるのか探してみました。

「User Preferences」の「User Interface」の項目でTheme(テーマ)を変更できます。
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余談ですが、私は、External Editorsには、SonyからMAGIXに移管されたSound ForgeとiZotope RX6 Editorを設定してます。これWwiseから直接各エディターを開けるだけじゃなくて、それぞれのソフトで波形編集やノイズを除去後、セーブするだけでWwiseのデータも更新できるのでとても便利です。もちろん非破壊Editじゃないので注意が必要ですが、普通は仕事で使うならPerforceかGitがあると思うので巻き戻しできるので大丈夫かと思います。

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Unity Proみたいな感じになりました!

Themeは細かく設定できて、Lightness、Contrast、Hue、Saturationなどを個別に変更できます。結構えぐい色にする事も可能です(笑)
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メニューバーの色も変えれる

ウィンドウズのウィンドウバー(メニュー)の色も変更できます。こちらはProject SettingsのUser Interface。

こちらは、複数のプロジェクトを並行してやってると、今どのWwise Project弄ってるんだっけ?って時に便利な機能との事。私も同時に複数プロジェクトに加えて、自分のSandBox用のWwise Projectを使い分ける事があるので、個人的にはちょっと嬉しい機能です。

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ピンクにしてみました。ちなみに今回からメニュー項目が、ウィンドウバーに表示されるようになりました。
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カラム表示に対応

Property Editorなど、多くのウィンドウで2カラム表示が可能になりました!これちょっと便利かも。
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とにかく私はめんどくさがりなので、タブを切り替えて、あっちみて、こっち見てってのが嫌いなので、情報を沢山常に表示しておく事が多いです。そのせいでウィンドウが多くなりがちなのが悩みの種なんですが、カラムだと必要なときだけカラム表示にすればいいのですっきりしてよさそうです。

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 Effect EditorでRTPCとEffect Settings 同時に見れるってのは便利そうです。

Objectにカラーを設定できるように

これ、めちゃめちゃありがたい機能です。ついに各要素にカラーを設定できるようになりました!右クリックメニューで、「Set Color...」を選択するだけ。

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他にもProperty Editorのこの部分をクリックしても変更可能。
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あと個人的にはラベル機能も欲しいなって思います。今はNoteで代用してるんですけど「ラベル+色」がセットだと嬉しいなあ。(カスタムプロパティを作る方法もあるんですが、そこまでではないです。)

例えばボイスなんかで、スクリプター側の実装を楽にするためとか、秘匿性の観点やらなんやかんやの諸事情で、キャラクターの名前などのユニークな文字列をEvent名につけずに単なる通し番号や数字の羅列にしたりする時があります。

AkEvents キャラクター名 セリフ内容
A001_001_0001_Play リッチー・ブラック 「こんにちは、私はリッチー」
A001_001_0002_Play ジョン・ロー 「やあ、僕はジョンだよ、よろしくね」
A001_001_0003_Play リッチー・ブラック 「君は楽器が弾けるのかい?」
A001_001_0004_Play イアン・ペイ 「ちょっと!ちょっとー!僕を忘れてないかい?」

こんな流れのストーリーのボイスがあった時、それぞれキャラクター固有のIDをリッチーくん(RB)、ジョンくん(JL)、イアンくん(IP)として、A001_001_0001_RB_Play、A001_001_0002_JL_Play、A001_001_0004_IP_Playなんかにした日には、エクセルでピーッとドラッグするだけで終わる簡単な作業が、ひと手間ふた手間増えちゃうわで、あんまり個人的には好きじゃないです。

なによりそんな文字列の羅列は美しくない(↓)。そもそもボイスの切り出しでファイル名つける段階からめんどくさい場合も(※もちろんこれらはワークフローによりなにが良いかは変わってきます)

AkEvents キャラクター名 セリフ内容
A001_001_0001_RB_Play リッチー・ブラック 「こんにちは、私はリッチー」
A001_001_0002_JL_Play ジョン・ロー 「やあ、僕はジョンだよ、よろしくね」
A001_001_0003_RB_Play リッチー・ブラック 「君は楽器が弾けるのかい?」
A001_001_0004_IP_Play イアン・ペイ 「ちょっと!ちょっとー!僕を忘れてないかい?」

なのでこんな時ラベルが使えるとすごく便利だなーっと。

だいたい、声優の○○さんの○○というキャラの納品がありましたーと、ある程度まとまった数を一気にインポートするのでその時にラベルつけたい……。大量のボイスデータはCSVからのImport機能などを活用して、Event作成まで一気にバッチ処理するので、そこでラベルつけたい……つけてほしい。Event名やファイル名など、実装に影響しない管理上のMetaとしてラベルつけたい!色つけたい!ラベルでフィルタリングしたいと思うわけです。今はNoteとQueryEditorで擬似的にやってます。だいぶ脱線しました。

Modulator に「Time」が追加された

Modulator Timeというモジュレータが追加されました。簡単に言うと高機能エンベロープだし、拡大解釈するなら簡易オートメーションと言っちゃってもよいかもしれないです。Modulator Timeとは別に、Modulator Envelopeは別途あって、こちらは比較的シンプルなADSR方式なのに対して、Modulator Timeはかなり自由度が高いです。

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Modulator Timeの設定自体はシンプル。RTPCとして設定して、RTPCカーブを描くことでエンベロープ(オートメーション)的に使用する事ができます。詳しくは動画にて。

www.audiokinetic.com

ちとがっかりなContents Editorのフィルター機能

Contents Editorにフィルター機能(検索フィールド)が付きました。Project Explorerに欲しい所だけど……。しかもこのフィルター機能、どうやら表示されてる項目からフィルタリングするだけで、折り畳まれた内部のアセットまで見てくれないっぽい。これはWwiseの検索フィールドの共通の挙動なので仕方ないですね。Optionで変更できると嬉しいな。

「List View」、「Query Editor」、「MIDI Keymap Editor」、「Referenceビュー」で、ノードが閉じて非表示となっている項目は検索対象とならない。

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上記のように、文字列を含むオブジェクトが表示されていればフィルタリングで表示できるが……。

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このようにすべて降り立たんだ状態だと

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みつけてくれなーい!というわけで、List View最強の座は揺らがず!

3D Meter

見た目的に派手なのは3D Meterどうやってつかうかというと、これはBusの設定をまずAmbisonicsにしないといけない。1st order、2nd order、3rd orderなんでもOK。そしてAmbisonicsに設定したバスをメーターでモニタリングすると、3D Meterの選択肢が増える。

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手っ取り早いのは、右クリックメニューで「Show in Meter View」を選択すればよい。
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コーデックにOpusが追加

オーディオファイルのフォーマットにOpusが追加。よく知らなかったのですが、Vorbisよりも圧縮率は高いだけど(ファイルは小さくなるけど)、デコード時のCPU負荷が高くなるとの事。音質評価もOpusの方が高いそうで。わかりやすいトレードオフ!

Results of the public multiformat listening test (July 2014)

なかなかCPUのコストは頭を悩ます要素でもあるので、まだちょっとどういう時に使うか……てのはイメージ湧いてないです。VorbisはVirtual Voiceからの復帰時などにシークテーブルを作成しておく必要があるけど(勝手にエンコード時に作ってくれるから、ほとんどの場合意識はしなくてよいんだけど)Opusは不要。メリットのように見えるけど、CPUとディスクアクセスの面でデメリットがあるから、そういう用途の音にはあんま使うなってことのようで。

Opusを使ったループやシークについて
Opusでは、シークやループ用のシークテーブルは不要ですが、その分、CPU負荷が高くなり、ディスクアクセスが増えます(ストリーミングの場合)。これを念頭に、Opusの利用はシークやループのニーズが最小限または皆無のサウンドに制限すべきです。なお、ファイル冒頭のシークやループは軽度なので、このような余計なコストがありません。

 

実験的機能がおもしろそう

ざっと、さわりの部分だけ見てみたので、まだ把握しきれてない部分や気がついてない所も多いかもしれません。

個人的には一番注目なのは「ジオメトリによる回折」と「Wwise Reflect - 回折リフレクション」。あと、「EventとSoundBankのコールバックが、Blueprintで」この辺は時間があれば実際にUE4で試してみたい所です。

あと、Positioning Tab強化で、「お、ついにForce Mono機能が!?」と思ったんですがなかったようです。がっかり。
 

【Wwise】最近の作業レイアウト

 久々に自宅のMacにWwiseの最新版を入れてみました。というのも、Wwise Adventure GameというサンプルゲームでのUnity実装を見たかったからです。Wwise Authoring Tool側での実装というよりは、Unity側のComponent周りと、それに付随するC#コードでどういった実装しているのか興味を持ったので。

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 私自身はもうWwiseを使い始めてから10年ほどになろうかという感じだけど、サウンドの実装に関わるプログラマーさんはプロジェクトごとに変わる事が多いのが現状。より最適化(皆が楽できる実装方法と効率化)を考えたときに、サウンドデザイナーであっても、ある程度実装に関する基本やセオリーを知っておいた方がよいと感じます。

 プログラマーさんにこういう事をやりたい時はこういう実装方法がありますよと、簡単にでもレクチャーできればと。特にUnityともなると、プロジェクト毎に異なるComponent(Script)が用意され、実装方法が微妙に違ってきたりします。似たような考えのもとに作られたComponentであれば、サウンドデザイナー側の実装ワークもある程度定型化でき効率化できるんじゃないかと思います。

 てか、Wwise のUnity Integrateに、Wwise Adventure Gameで使ってるComponentを追加してくれれば、それだけでも良いような気も……。

最近の私のWwise作業レイアウト

 現状のWwiseはちょっとレイアウトが弱いんで、今後強化されるっぽいですけどこんな感じ。Wwise使ってて思うのは、UE4使ってる時はUE4っぽい使い勝手になってほしいし、Unity使ってる時はUnityのような使い勝手になって欲しいな〜というワガママな要望が出てきちゃいます。

 で、これはどっちかっていうとUnityちゃんっぽい使い勝手のレイアウトです。レイアウトいくつも保存できたらいいんだけどねえ。

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2つ並んだProject Explorer

 ここは左のProject Explorerは、主に「Audio」また「Event」にしておくことが多いです。ただメインのProject Explorerという位置づけなので、Game SyncsやSessionにも切り替えます。

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左「Audio」、右「Event」

 左のAudioタブで選択したアイテムから、Eventを作ると右のEventタブのProject Explorerにすぐ表示されてそのまま整理できるので楽(タブ切り替えが不要)。あと右のEventタブで選択したイベントに、Audioタブからドラッグ&ドロップってのも楽です。

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左「Event」 右「SoundBank」

 左「Event」で、右「SoundBank」って組わせも多いです。SoundBank Editorはフローティングのままで使い終わったら閉じる。Soundbank View(ショートカット F7)に切り替えてもいいんだけど、この為だけに画面がガラリと変わる脳への負荷があまり好きじゃないので。

 とにかく、左から右へドラッグアンドドロップできるのは便利ですし、両方「Audio」、両方「Event」みたいに二箇所を同時に見たり、左「Audio」右「GameSync」みたいに、GameSyncのパラメータとAudioを交互に移動しながら音を作って行く時にも便利です。

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あんまり使わないEvent View

Event Viewは実はほとんど使わないけど、デフォルトなのでおいたままに。検索ボタンをポチッと押すとFilterライクな検索ができるので便利ちゃ便利。

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常に表示のListView

 普段、影に隠れて使わない人も多そうだけど、個人的にはめちゃめちゃよく使います。というか、右上のサーチとかもう殆ど使わなくなりましたね。

 カラムをTypeだけにして、Typeでソートしてもいいし、Prefix(suffix)をスペース開けて「ambi play」こんな感じで入力してもいいです(ここまでちゃんと入力しなくても良いくらいで、だいたい入力途中で目的のアイテムが見つかります)。

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ほぼUnityのProjectタブ(↓)と同じような使い方。Filterで絞ってアイテムを選択。
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たまに便利なReference View

 参照状態を確認できるウィンドウ。例えば、今選択してるSoundSFXを使用してるEventを表示したり、選択してるEventがどのSoundBankに入ってるかとかをたどる事ができます。

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 ただ、SoundSFXのイベントを参照するなら、EventViewのCurrent Sectionで、ほぼ同じ内容を見ることができる。ただReferance ViewはPinやプロパティ表示変更できるって違いがあります。Pin留めはたまに便利な時があります。
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その他

Capture Log

 大抵はちゃんとProfiler Viewを使いますが、ここで見れるのも結構便利。Capture Logを見て、編集してっていう作業がスムーズに。今鳴ったこの音のボリュームちょっと下げたいとか、サクサクっと出来ます。

 うまいこと2種類のFilterと、Follow Capture Timeのオン/オフ切り替えをするのがコツです。

メーター系

 ボリュームを常に意識するのは当然。ラウドネスもある程度気に留めときます。

 通常のピークメーターが2つ目は臨機応変に変更。例えば、音楽を除いた効果音だけのBusボリュームをチェックしたい時とかにも使います。

まとめ

 なんか長くなっちゃいましたが、もっといい方法あるんじゃないかと常に最適化して楽したい人間なので、他の人の画面もみたいな〜(チラッチラ

 前述したけど、レイアウトをもっといっぱい保存できたらなーとか、ウィンドウ自体をUnityのようにタブ化できたらなーとか、ここのウィンドウこそPin化してほしいなーとか、フィルタータイプの検索欄欲しいなーとか、アイテム選択したらこっちのウィンドウの情報更新してほしいなーとか、言い出したらキリがないのですが、日々試行錯誤している今日このごろです。