先日8月31日(金)に 新宿ReNYで、浅倉大介さんのソロイベント『DAISUKE ASAKURA CLUB + LIVE「DA metaverse beginning θ⁺」』が開催されました!
当日は、音楽作家をしている友人と一緒に見に行きました。ということで、カジュアルな文体で、すこしマニアックな視点のレポートを書いてみたいと思います!
ライブ情報
■日程
2018年8月31日(金)
■会場
新宿ReNY
■時間
開場 18:00 / 開演 18:30
イベントレポート
今回のライブは、浅倉さんのソロイベントという事もあって、ステージには機材が沢山。一番目を引くのは通称タンスと呼ばれる「Moog Modular」。タンスはあの家庭にある箪笥からきていて、サイズやら見た目がタンスに似ているから(笑)
私も昔すこしだけ松武秀樹さんのタンスを触らせて頂いた事があります(タンスがなにを指すかわからない人が、文字面だけみると何いってんだコイツと思われそうですが……w)。
圧巻のMoog Modular
浅倉さんの使用しているタンスは、復刻されたキース・エマーソンモデルで、世界に5台しかない超貴重なモノです。なのでこれを聞きに来るだけでも価値のあるライブなんです。
Moog Music Announces The New Emerson Moog Modular System | Moog Music Inc
左上のマークは、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(EL&P)の「恐怖の頭脳改革(Brain Salad Surgery)」のジャケットの絵だと思います。この絵の作者であるH.R.ギーガーは、のちに映画「エイリアン」のデザインを手がける事になります。私もレコードジャケットを模した復刻版CDを持ってます。
このシンセは「Moog Modular」という名の通り、各機能がパーツ毎に切り離されたモジュラータイプになっており、それらをケーブルで繋いでいかないと音が鳴りません。なので音を鳴らすだけでも大変です。
最後の実験で、観客と一緒になってメロディーを作る実験で使われていたのは、おそらく「Moog 960」というモジュールで、いわゆる音を記録して順番に再生するステップシーケンサーという機能を持ったモジュールが使われていました。
ModularSynthesis - 960 Sequential Controller
ここまで来ると私もよくわからないんですが、(なんせ世界に数台ですから……)、DJブースにあった機材「Polyend Seq」が出力するMIDIデータというデジタル情報を、電圧というアナログな電気的情報に変換(MIDI to CV)し、「Moog 960」に記録されたみんなで作ったメロディーに味付け(STEPを変えて鳴るタイミングを調整したり)していたのではないかと思います。まーでも本当の所はよくわかりません。
他のシンセと機材達
同行した友人と「あれなんのシンセやろ?」「あのシンセの音ええなー!!」「あれどうやってるんやろ」(ふたりとも関西人)などと話していました(一種の職業病……)。が、全部はわからず。間違ってるかもしれないけど、以下にメモしときます。
- Moog Emerson Moog Modular System
- Roland System 8
- Roland JD-XA
- YAMAHA MONTAGE 7
- KORG prologue
キーボード以外の、おそらく使ってるであろう機材としてはこんな感じ。他にももっと一杯あったけどわからず。このあたりはちゃんと雑誌取材が入ると嬉しいなっと。
- Roland TR-8S
- Roland TB-3
- Polyend Seq
- Pioneer RMX-1000
- Pioneer RMX-500
- ジャンル: CD・DVD・楽器 > 楽器 > DJ機器 > DJエフェクター
- ショップ: chuya-online
- 価格: 86,400円
といった感じで、これかなり最新の機材が盛りだくさんです。本当に実験の会場という感じ。
浅倉さんが色んなシンセを演奏していくんだけど、まあMoogの音の凄い事!めちゃめちゃぶっとい音で会場全体が揺れる揺れる!オケ(音楽/伴奏)の中でも1つ手前に出てくるようなヌケのよい音!
意外と良いな〜と思ったのが「KORG prologue」。このシンセは「Moog Modular」同様にアナログシンセと言われるもので、流石にMoog Modularと比べると可哀想だけど、バックの音楽に埋もれず前に出てくるな〜という印象。
私は特にアナログシンセ信者でもないんだけど、やっぱこうして聞いてみるとやはりアナログ・シンセってすごいなっと。フィルターの効き方がMoogとKorgでそれぞれ個性が出てておもしろかったです。
あと個人的には、PioneerのRMX-500とRMX-1000はDJプレイでめちゃめちゃ活躍しててほしくなっちゃいました。ステージ中央のDJセットの中心にあった機材です。
音を細切れにしてループするような効果(Stutter)を付与したり、いろいろエフェクトをかけたりと、リアルタイムにリミックスっぽい事ができる機材です。
ライブの模様
※写真は撮影OKタイムの時のものです
ライブは映像シーケンスでスタート。その後、ショルダーキーボードを持った浅倉さんが登場し歌唱も披露するというソロならではの演出!
生ピアノの披露していたかとおもうと、それをいつの間にか録音しグリッチサウンドに変化させたり(細かくダダダダダ……みたいに繰り返されるようなサウンド)、単なるシンセサイザーの演奏だけでなく、最新のリミックス的な手法をリアルタイムで行うなど、濃い〜〜ライブでした!
途中のDJタイムは完全に会場がクラブに。結構ゴリゴリのクラブ・サウンドから浅倉さんファンだったらニヤリとするような曲に変化していったりと、とても楽しいプレイリストでした。
最後は、観客からメロディーを募集するという超実験的な試み。ここからは撮影OKという事でみんながスマホカメラで撮影。個人的には、これもまたアートっぽいなーなんてことを思ったりします。(観客のスマホを使ったライブ演出は、知人や私が参加するアイデアソンなどでも度々話に出るのですが…)
会場にいる人全員で作曲するという、取り組みとしても前衛的でアートのように感じます。これは浅倉さんのソロライブならではですね。
今回の会場は、観客とステージとの距離が近いので、全員の一体感が半端ないスペシャルな空間となりました。
accessのライブとはまた全然違うスタイルで、とても楽しめました!なかなかシンセサイザーやDJプレイは、なにを今してるかわかりにくい面もあるのですが、細かい事は気にせず音に身を委ねて楽しめれば良いと思います。ただ、浅倉さんが今なにやってるのかわかると更に楽しみが増えるんで、色んなシンセの音の違いや、音の変化なんかを聞いてみると面白いと思います。
特に、「Moog Modular」によるボディソニック(体で感じる音の振動)は、ライブ参加者しか味わえない、しかも世界でもほぼここでしか味わえないんじゃないかってくらい貴重な体験です。
次回開催も決定!
そして、なんと次回は2019年1月19日(土)20日(日)にヒューリックホール東京での開催が決定。10月15日から先行受付開始の予定なので、間もなくウェブなどでアナウンスされるんじゃないかと。今回行けなかった人は是非足を運んでみてください!
参考リンク
Θ+の機材組んでます❗️
— 浅倉大介 (@daisukeasakura) 2018年8月26日
ビルドと共に❗️明日の🌏を投げ出せないから♪ねっ⁉️ pic.twitter.com/8oAxnGgMCo